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米国内劇場収益は75億ドル: 前年比8.5%アップ
1.劇場収益上昇の一途
1999年のハリウッド映画のアメリカ国内劇場収益は、75億ドルを記録し、1998年度の収益を8.5%上回りました。とりわけ貢献したのは、20世紀フォックス配給、ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ:エピソード1」。アメリカ国内だけで4億3000万ドルの劇場収益を上げ、ダントツの1位の座を占めています。ディズニー配給の「シックス・センス」「トイストーリ2」も健闘し、それぞれ2億ドルの劇場収益を記録しています。
2.各スタジオのマーケット・シェア 以下は1999年度のハリウッド・スタジオのアメリカ国内におけるマーケット・シェアです。
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順位
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スタジオ
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劇場シェア
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配給映画数
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1
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ディズニー
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17.0%
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30
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2
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ワーナーブラザース
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14.2%
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24
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3
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ユニバーサル
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12.7%
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23
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4
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パラマウント
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11.6%
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18
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5
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20世紀フォックス
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10.8%
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21
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6
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ソニー・ピクチャーズ
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8.6%
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31
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7
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ドリームワークス
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4.4%
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9
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8
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MGM
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4.2%
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13
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アメリカ国内17%のマーケット・シェアを誇るディズニーは、10億ドルを超す国内劇場収益を記録し、トップの地位にあります。外国での劇場配給収益においても13億2000万ドル(1998年は12億5000万ドル)を稼ぎだし、トップの座を確保しています。
「マトリックス」(アメリカ国内劇場収益は1億7140万ドル)の大ヒットで第2位に浮上したワーナーブラザース。ワーナーに独占的に映画を提供しているビレッジ・ロードショウは「マトリックス」の他、「ディープ・ブルー・シー」(8360万ドル)「アナライズ・ジス」(1億670万ドル)を制作し、ワーナーのマーケット・シェアに貢献しています。
マーケット・シェア12.7%のユニバーサル・スタジオ。とりわけ「ハムナプトラ」「ノッティング・ヒルの恋人」「アメリカン・パイ」などのヒットに恵まれ、1998年の5.7%のシェアから大きく上昇。
1998年の2位(15.5%シェア)から4位に転落したとはいえ、「ランナウエイ・ブライド」「ダブル・ジョパディ」「将軍の娘」の3本の映画がアメリカでそれぞれ1億ドルの劇場収益を上げています。
「スター・ウォーズ:ファントム・メナス」を配給したフォックスは5位。ショーン・コネリー主演の「エントラップメント」、「25年目のキス」「ファイト・クラブ」などを配給しました。
1998年の4位から6位になったソニー・ピクチャーズ。配給本数も41本から31本に縮小しました。 アニメ作品の公開のなかったドリームワークス。1998年のシェア6.8%から1999年は4.4%になったとはいえ、「アメリカン・ビューティー」「ギャラクシー・クエスト」のヒットが収益を支えています。
3.スタジオの傾向
いままでのハリウッド映画の傾向は、大スターと巨額な制作費のイベント映画とコストを押さえた映画の組み合わせが主流でした。1999年のハリウッドは、「タイタニック」や「アルマゲドン」のようなイベント映画がめっきり減少しています。むしろ、定着したスタジオ間でリスクを分担しあうスプリット・ライツ形態、スタジオと制作会社との間のネガティブ・ピックアップ形態の共同出資・制作、インディ映画のピックアップが目立ってきています。
5億ドル以上のワールドワイドの劇場収益を記録した「シックス・センス」は、ディズニーとその衛星制作会社であるスパイグラスの共同制作によるものです。若干29才の新人監督を起用した「シックス・センス」。まさに第六感が当たったような大ヒットでした。ブルース・ウィリスと子役俳優が共演するホラー・ドラマ。「マーミュリー・ライジング」の失敗もあり、ジャンルとしては売りにくいと言われています。そのため、ディズニーはスパイグラスとの間で制作費3,500万ドルを共同出資・共同制作をおこなうことにより、リスクを分散しました。共同出資・共同制作のメリットは、興行失敗した時のリスクを押さえることができること。ダウンサイドは、映画が成功した時、収益を分け合わなければいけないこと。ディズニー・スパイグラスのような共同出資・制作を形態をとっているスタジオは他にもあります。
ワーナー・ブラザースはビレッジ・ロードショーとの間で、2005年までの間に40本の映画を共同出資・共同制作する契約を結んでいます。ワーナーは北米での配給権、ビレッジ・ロードショーは出身地であるオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、ギリシャでの配給権、その他の地域についてはワーナー系列で配給します。すべての収益はひとつのポットに入れて、それぞれの控除を差しひいた後、合意されたパーセンテージで収益配分します。ビレッジ・ロードショーがワーナーとの間で共同制作した映画は、アメリカだけで10億ドル以上の劇場収益を上げており、1999年のワーナーの劇場収益に大きく貢献しています。
4.インディ映画
特に注目を浴びたのは「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」。制作費は5万ドル。配給権をピックアップしたのはアーティザン・エンターテインメントというインディ系配給会社。配給権の値段は100万ドルと言われています。マーケティング費2500万ドル。アメリカでの劇場収益は1億4000万ドルを記録しました。
「スター・ウォーズ:ファントム・メナス」は、ルーカス監督が全額出資しており、スタジオが出資していないという点ではインディ映画です。 ワーナーがピックアップした「ポケモン」もスタジオが制作費を出資していないピックアップの映画です。アジアの地域を除く配給権のアドバンスは500万ドルと言われています。アメリカでの劇場収益は8500万ドルを記録しており、ワーナーにとってリスクのない優良映画といえましょう。
ポリグラムが解体された後、ポリグラムの国内の資産とオクトーバー・フィルムス、グラマシー・ピクチャーズを合体させてできたUSAフィルムス。テレビ界の大物バリー・デイラーが1999年6月にスタートさせたUSAフィルムスでは、シャロン・ストーン主演の「ミューズ」、「ジョン・マルコビッチ」「トプシー・タービー」などのインディ映画を配給し、これからの活動が注目されます。
5.これから
コングロマリット化で巨大化したハリウッド・スタジオ。二次使用のウィンドウが拡大しているとはいえ、映画制作はリスクの大きいビジネス。ハリウッドでは、マネージメント、オーバーヘッドをスリム化し、リスクを分散した映画づくりが続くでしょう。
映像新聞2000年2月28日掲載
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