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弁護士 ミドリ・モールのハリウッド・インタビュー・コーナー |
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テイム・ロスとのインタビュー - INTERVIEW WITH TIM ROTH ティム・ロスの初監督作品「この作品は父に捧げる」
「作品を自分で撮ることにはずっと魅力を感じてきたけど、監督に専念するには心の準備ができていなかった。でも、『素肌の涙』の原作を読んだ時、監督をするならこれだと直感したんだ。」 ハリウッドで最も注目されるイギリス人俳優、ティム・ロス。役者として成熟期を謳歌する彼が、初めて「監督」として映画に取り組んだ。それが「素肌の涙」だ。 アレキサンダー・スチュアートの原作は、近親相姦と子供に対する虐待という難しいテーマを扱っている。ティム・ロスは監督としてのデビュー作になぜこの原作を選んだのか。 「監督をするなら、両親と子供の関係を描いてみたかった。近親相姦そして子供に対する虐待というテーマは、チャレンジそのものだった。僕自身も家族から虐待を受けたことがある。僕の父親も虐待の犠牲者だった。この映画は彼に捧げる作品だ。彼が生きて観ることできなくて残念だ。」と自らの体験を淡々と語った。 「トロントで試写会を開いた時、観客の少年が映画のあるシーンで席を立った。僕はとなりのバーでビールを飲みながら試写会が終わるのを待っていた。その少年は僕に近づき、自分も虐待の犠牲者だと語った。観客のなかには、この映画を受け入れる準備ができていない人もいるだろうね。」 ロンドンの喧騒から離れた町で、ひっそりと暮らす一組の家族。新たな土地で、ビジネスを立て直そうとする父親。赤ちゃんの誕生を待つ母親。大人と子供の狭間にあり多感な18歳の少女ジェシー。孤独な15歳の少年トム。平凡だが互いの愛情に包まれた静かな日々。しかし、あってはならないことが家族の中でそっと起こっている。 「父親を悪魔と描きたくなかった。どこにでもいる普通の家族。映画を観て、なぜこの家族が崩壊したのか知って欲しい。父親役には、僕の尊敬するイギリス人俳優レイ・ウインストンにお願いした。母親役にはティルダ・スウィントン。脚本を渡した時、ティルダは双子を妊娠していたので、出産後すぐに撮影を始めたんだ。」 ジェシーとトムは、プロの役者を2,500人オーディションしたが見つからず、ララ・ベルモントとフレディ・カンリフという2人の新人を採用した。ジェシー役を演じたララ・ベルモントは、初めての映画で近親相姦の娘役という難しい役柄を演じることになるわけだが、自分の直感を信じ、キャスティングを決定した。 「(近親相姦というテーマを扱うのは)タフだったさ。でも、逃げてしまったら、敢えてなぜこの問題を選んだのか分からなくなる。現実に起こっていることに対して、臆病になってはいけない。観客の人たちに目の当たりにしてもらいたい。そうすることによってこの家族のことがよく分かってくる。」 ダーク・ブルーの荒涼とした田舎の風景。寒々とした海。それを見下ろす丘。閉鎖的な室内。そしてドラマを織りなす人間たち。 「映像にこだわりたかったので、多くの撮影監督をオーディションした。そして、シーマス・マクガーベイに決めた。彼はイギリスでも新進気鋭の撮影監督だ。僕はカメラワークに注文が多いのだけれど、彼は僕の注文を映像化できる才能をもっている。僕の監督2作目も彼といっしょに撮ることになっているんだ。」 ティム・ロスが次に撮る作品とは「リア王」。今回同様監督に専念する。 「本来映画は自分自身のために作るものなのに、制作資金と引き換えに魂を売ってしまう監督がほとんどだ。どれだけの作品が無能な人々の手によって破壊されてしまったことか。僕は俳優をしている間に、このシステムを学んだ。だから、自分が何を求めているのかが分かる。自分の納得するもの以外作る気はない。」監督と俳優という2つの役柄を演じ分けるティム・ロス。映画を語る彼からは、揺るぎない自信と野心を感られた。 ティム・ロス出演の主な映画
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| 「流行通信」10月号掲載。
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